『犬を取り巻く現状』
日本の犬猫飼育数
2008年の日本国内における犬猫の飼育頭数は、犬が1,310万1千頭、猫が1,373万8千頭、合計2,683万9千頭とされている。
(一般社団法人ペットフード協会調べ)
この調査は1994年から行われており、94年の第1回調査と比較すると、犬の飼育頭数は約1.4倍に、猫は約1.8倍に増加している。少子化による子どもの減少と反比例するように、ペットの飼育頭数は増加を続けており、15歳未満の子どもの総数(1,725万人)を上回っている。
日本のペット産業の規模については調査により異なるが、すでに2兆円に達しているという報告もある。いずれの調査でも、すでに1兆円を超える規模となっており、不況の中でも拡大を続けていると指摘されている。
国内の犬猫殺処分数について
映画制作時の数字 2006年度の殺処分数 35万3,098頭 (1日あたり967頭)
09年7月現在、最新の数字 2007年度の殺処分数 31万457頭 ※昨年度比で約4万頭の減少
地球生物会議(ALIVE)が1997年度から行っている全国動物行政アンケートによると、
犬猫の殺処分数はこの10年ほどで半減している。
しかし犬の処分数が約3分の1になったことに比べると、猫の処分数は大きな変化が見られず、今後の課題といえる。
※以上、地球生物会議(ALIVE)調べ
日本とイギリスを比較して
イギリス全土に拠点を構える犬の保護団体Dogs Trustによると、英国で2006年に処分された犬は7,743頭。
同年度における日本国内の犬の処分数は117,969頭であるため、英国のおよそ15倍という数字になる。
ちなみに日本の犬の総数は英国のおよそ2倍である。
処分数がこれほど違う理由としてはまず、英国ではペットショップに対する厳しい規制があり、犬や猫を店頭で購入することはほとんどできないことが挙げられる。犬猫を飼いたい人は、特定の犬種を希望する場合などはブリーダーから直接手に入れるが、それ以外では保護施設から譲り受けることが一般的なのだ。
また、保護施設や愛護団体が日本とは比較にならないほど広く知られ、一般からの理解も得られている。大きな団体・施設も多数あり、豊富な寄付が寄せられ、飼い主募集の広告を掲載したり、マスメディアでも頻繁に取り上げられている。
日本の法律および行政の動向について
2005年に改正された動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)では、動物の愛護・管理について、国に基本指針を定めること、都道府県にその推進計画を定めることを求めている。
これに基づき2006年10月に出された国の基本指針では、2017年度までに犬猫の引き取り・殺処分数の半減を目標に掲げている。
これを踏まえ、環境省では2009年度より全国90ヵ所の施設整備事業に乗り出すことも決まっている。