国分寺わくわく映像塾 in ぶんぶんウォーク2012 by 井手広法&山本コヲジ


 
映像作品やメッセージビデオは、一人では作れません。
何を伝えたいのかを話し合い、どう表現すればうまく伝わるのかを考えていきます。
ときには意見が分かれて言い合いになるかもしれないし、撮る側、撮られる側のタイミングや、音声どりなど、チームプレーも求められる。その過程にはいつもコミュニケーションが必要で、伝える力が養われていく。
 
日記、つぶやき、写真、動画が日々公開され続ける今の時代感の中で、映像制作の基本は、いろんなところで活用できるし、教え合ったり、作品を通じて新たなコミュニケーションも生み出していく。
 
編集はプロが行うものの、動画素材をプロがどう一つの作品につなぎ合わせていくのかをまじかで見る経験は、キャリア教育につながる面もある。
 
そして話し合い、撮影した動画が作品となり、それをみんなで見るときには興奮するにちがいない。ぼくらの学校の授業では味わえなかったものが、そこにはあると思う。
 
そう、映像制作を通じて作品が出来上がる過程には、友人や関わる人たちとのつながりを学ぶ機会に溢れている。
 
 

 
 
 
今年の5月から、北茨城市の小学校、3校でこの映像塾の活動が授業に導入された。地域の人たちに、地元の商店や特産品についてインタビューしながら、小学生たちが記録していく。
 
国分寺の市民文化祭「ぶんぶんウォーク」で、「わくわく映像塾」を紹介したいと思ったのは、「まちの再発見」というテーマが共通しているからだ。
 
だけど、それだけじゃない。協働作業によるコミュニケーション、プレゼン力や表現力、撮影技術の習得、感動の共有といったことだけじゃない。
 
 
3.11以降、奥さまが福島県出身ということもあり、井手さんは物資やマンパワーを通じて支援活動を続けていたそう。そこでメディアでは取り上げられない地域での「見えない声」たちに触れます。マイナーな地域、エリアでは子供たち、老人、障害を持った方、ペットは言いたいことも言えないまま、ひどい扱いだったそうです。その「声なき声」を拾って、発信することはできないかという想いと、子供たちへの映像教育の経験から、企業の協力を得て、新たな活動が始まりました。
 
当時の被災状況は、同じ市内でもエリアによって違いがあり、各家庭の生活状況も個々に違いました。一軒家から仮設住宅へという居住のこと、健康面、経済面での将来のこと。親の不安感は家庭内にも反映し、とくに中・高学年の子供たちへの精神的影響は、人格形成の過程にともなって、1年後、3年後、5年後、10年後と時間を経て表れてくることがあるそうです。
 
そうした今後の心のケアも考え、パナソニックと一緒に岩手、宮城、福島の3県で撮った子供たちの映像は「今、つたえたいこと」として第24回東京国際映画祭に出展上映されました。
 
今回は井手さんが制作(出演:北茨城市立精華小学校3年生、北茨城市立大津小学校3年生、北茨城市立平潟小学校2~6年生、北茨城市立常北中学校3年生)した「ぼくらのゆめ ~100年先への第一歩~」を一緒に見ますが、被災地の子供たちの声、メッセージを聞いて、それを受けて、
映像で手紙を返す、映像文通のようなことにつながっていったらいいなぁと思っています。
 
だれかが、自分のことを、自分たちのことを想っていること、想っているという実感は、きっと見えない支えになると思う。
 

 
 

 
 
 
当日は井手さんも来てくれて、色々な話をしてくれます。
内容は秘密。というか只今考え中☆
 
今年、まさかこうして新たな企画に関わるとは自分では思っていませんでしたが、やっぱり人を動かすのは、想いだったり、信念だったり、その人まるごとの人間力だったりすると思う。
 
そんな魅力ある井手さんのお話、どうぞお楽しみに!

(お世話係:山本コヲジ)